2020年6月アーカイブ

「邦楽のひととき」再放送

先日6月25日(木)午前5時20分からの
NHK-FM「邦楽のひととき」再放送は、
地震速報のため中止となりました。
年内に改めて再放送される予定ですので、
日時が決まりましたらご案内いたします。

NHK-FM「邦楽のひととき」放送ご案内

6月24日(水)午前11時20分よりNHK-FM「邦楽のひととき」にて
私の演奏「舞扇鶴ヶ岡(まいおうぎつるがおか)」および、
日本橘会の田中旭泉さんによる「小栗栖(おぐるす)」が放送される予定です。
インターネットラジオ(らじるらじる)でもお聴き頂けます。
※25日(木)午前5時20分より再放送

今回放送分は過日、NHK大阪放送局にて
厳重な感染防止態勢のもと、無事に収録を終えました。

田中旭泉さんは同い年で二十代からの親友でもあり、
尊敬する素晴らしい演奏家です。
彼女の演目「小栗栖」は、明智光秀の最期を語る古典曲です。

私の演目「舞扇鶴ヶ岡」は、2005年の大河ドラマ『義経』でも
クライマックスの名場面として放映された有名なくだりで、
いつもコンサートでの演奏時には
―義経と静 悲恋ものがたり―と副題を付けています。

以下、「舞扇鶴ヶ岡」解説です。

源義経は壇ノ浦で平家一門を滅ぼし、都に名を馳せましたが、
家臣の讒言などにより、一転して兄頼朝から追われる身となってしまいます。
義経の恋人、白拍子の静御前は義経らと行を共にしていましたが、
険しい旅路に女人の身は足手まといになるばかり。
都へ帰るようにとの説得を受けた静は、涙ながらに義経と別れるのでした。
しかし、都への途上で追っ手に捕らえられ、
鎌倉へと送られて、義経の行方を問う厳しい詮議を受けることに。
頃は弥生、桜の季節になりました。
頼朝公の鶴ヶ岡参拝の折、八幡宮の舞台での舞を命ぜられた静は、
「吉野山 峰の白雪踏み分けて 入りにし人の後ぞ恋しき」と、
義経を慕う歌を朗詠します。その歌に怒りをあらわにする頼朝!
あわや一座が白けかかった折、北の方政子が頼朝をなだめ、その場をとりなします。
静は「入りにし人の後ぞ恋しき」と繰り返し、堂々と舞い納めるのでした。

節を付けずに語るセリフの掛け合いがおもしろく、
頼朝・北条政子・静御前の三役を演じ分けるのが醍醐味です。

※このたびは放送時間の都合上、約14分の抜粋版です。